望指甲

望診

望指甲

指甲は、すなわち爪甲で「筋の余り」であり、肝胆の外候をなす。肝は血を蔵し、疏泄を主る。
このため望指甲を通じて、気血の盛衰、およびその循行情況を推測できる。

正常な指甲は紅色で潤沢であり、硬くて弧状を呈し、先端を押さえて離すと、血色が元に戻る。これは気血充足と循行流暢を示す。


指甲が深紅色を呈するのは裏熱証であり、
黄色を呈するのは湿熱による黄疸の現れであり、
淡白色を呈するのは血虚あるいは気血両虚であり、
蒼白色を呈するのは虚寒証であり、
紫黒色を呈するのは血瘀証である。

 

指の爪を押さえると白くなり、手を放せば紅色に戻るが、その戻りが遅くなれば、血虚や気滞血瘀が考えられる。
指の爪が扁平でかつ匙状に陥凹したものは「反甲」といい、多くが肝血不足による。

 

望小児食指​絡脈

食指内側の絡脈は 、手太陰肺経より分かれ出た脈である。乳幼児の脈部は短くて細い、しかも診脈をするとき、泣いたり動いたりするので、往々にして切脈の精確さに影響を与える。
乳幼児の皮膚は薄くて柔らかく、食指の絡脈も露出しやすいので、三歳以下の幼児の診断には食指絡脈診断法がよく用いられる。

 

絡脈の部位

食指絡脈は指節によって、風・気・命の三関に分ける。基節骨を第一節とし、風関といい、中節骨を第二節をとし、気関といい、末節骨を第三節をとし、命関という。

指の絡脈を表した図

 

絡脈の見方

幼児を抱えて光源に向かわせ、医師は左手で幼児の食指を握り、右手の母指で幼児の食指の命関から気関と風関に向け、適当に力を入れて数回擦ることにより、絡脈ははっきり見やすくなる。

 

臨床意義

正常な絡脈は、浅紅かつやや黄色であり、微かに風関に現れ、斜形と単枝ような形を呈する。その長さと太さは気候、年齢などと関係がある。暑くなると、絡脈が太く長くなり、寒くなると、絡脈が細く短くなる。
絡脈の長さは一歳以下の新生児で最も長く、加齢に伴って短縮する。
絡脈の望診は、その浮沈、色沢、長短、形状に分けられる。

 

1.浮沈

絡脈が浮上すれば、病は表にあり、外感表証が考えられる。絡脈が仄々して沈んだら、裏証が考えられる。
しかし臨床の統計によると、健康児においても絡脈が浮または沈に偏る場合もある。

 

2.色沢

紫紅色は内熱の現れであり、鮮紅色は外感表証の現れであり、青色は風証、疼痛、瘀血の現れであり談白色は虚証の現れであり、青色に紫黒を帯びているのは、血絡鬱閉による瘀血であり、重症と考えられる。
一般的には、色が薄いのは虚証に属し、濃いのは実証に属する。

 

3.長短

絡脈が風関に現れるのは、病邪が絡にあり、病は浅く軽いことを意味し、外感表証が考えられる。
絡脈が風関から気関に入り、その色がより深くなれば、それは邪気が絡より経に入り、邪気がより深く侵入し、病が重くなることを意味する。
絡脈が風関と気関を通過して命関に到達する場合、それは邪気が臓腑に深く侵入し、生命を危くする恐れがあるということであり、命関の名もそこからきている。もし絡脈が更に指端に達すれば、いわゆる「透関射甲」であり、病状が重く、予後がよくないことを示す。

 

4.形状

絡脈が太くなるものは、熱証と実証に属する。細くて枝分かれが少ないものは、寒証と虚証に属する。単枝を呈すれば、病状は軽い。弯曲で分枝が多ければ、病状は重い。