推拿(すいな)

推拿(すいな)

気血と内臓機能の調整に対する推拿の基本原理

複雑な疾病の発生も突き詰めていけば、正気虚弱と邪気の侵犯の二つの要因の関係にまとめ上げることができる。正気は、人体の物質的構造の総合的概括で、人体を構成する気血陰陽及び精と津液などの基本物質を包括している。邪気とは広く各種の致病素因を指し、外感・内傷・外傷と継発病因を包含している。

疾病の発展変化は、患者の正気の強弱及び邪気の性質と密接に関係している。病邪が人体を襲えば、人体の正気は必ずそれに対抗し、正邪の闘争とその盛衰変化が始まる。こうして、人体の陰陽の相対的平衡と、気血津液の相互の協調状態が破壊され、臓腑経絡等の組織器官の機能が異常となる。推拿は内臓機能に陰隔の平衡を明らかに調節する作用がある。主に経絡及び気血を通して役立てられて来たのである。

 

1.気血に対する推拿の作用

(1)気血の生成

気血は人体を構成する基本物質であり、人体の生命活動を維持する主要な物質的基礎である。推拿は健脾胃を通して気血の生成を促進する。

(2)気血の循行

気血の循行に対する推拿の作用は、経絡の疏通と肝の疏泄機能を強くする他に、手技の直接作用によって気血の循行を促進する。

 

2.内臓の機能に対する推拿の補瀉作用の調整

扶正と袪邪は臨床治療を指導する二つの甚本原則である。正邪の闘争が産み出す消長盛衰こそが虚証と実証を形造るのである。虚証には扶正で活し実証には袪邪で治すということは取りも直さず「虚則補之」「実則潟之」の意味することに他ならない。推拿の補瀉作用は手技で人体のある部位に刺激を与え、気血・津液、経絡・臓腑に相応の変化をさせる。だから推拿の補瀉は患者の状態にっよて手技の強さ・方向・速さ刺激の性質及び作用の部位を組み合わせて表現できる。

 

(1)内臓に対する手技の剌激の性質と量の「補」「瀉」の作用

ある臓腑に対して、弱い刺激はその生理機能を興奮させ、強い刺激はその抑制作用が起こる。例えば、脾胃虚弱の時、軽く軟らかい一指禅推法で脾兪、胃兪、中院、気海等の穴位に時間をかけて、リズムがある刺激を与えると良い効果が得られる。胃腸の痙攣の時、背部の相応な兪穴に、点按などの激しい手技で短時間の刺激を与えると痙攣が和らぐ。即ち、短時間の激しい刺激では、臓器の機能を抑制でき、これを「瀉」と言い、長時間の軽い剌激では臓器の機能を興奮させ、これを「補」という。この意味から言うと、激しい刺激は「瀉」で軽い剌激は「補」であるが、手技の剌激の激しさによる補・瀉作用は、その補瀉の圧力の分岐点が各人の体質と刺激の部位によって違う。臨床では患者のだるさの程度によって大まかに分けられる。

疾病によって適当な部位が選ばれ、病状と患者の体質によって相違った刺激量の手技が使われ、治療部位によって相応な手技が選ばれるのは、推拿の補瀉作用のポイントである。

 

(2)手技の度合い及び方向と「補瀉」の関係

手技の頻度は、一定の範囲(例えば100-180回/分)で行うとこれは量的な変化だけである。しかし、一定の範囲を越すと量的な変化から質的な変化が発生する。治療の時間と回数の総量が変わらずに、手技の頻度が高いとき、作用する面積が狭ければ、エネルギーの拡散が少ないから、単位面積に作用する有効的なエネルギーは強くなる。この手技は瀉と言う。反対は補である。古籍には「緩摩為補、急摩為潟」と書いてある。古代の文献中、補瀉についての記載は、大部分が小児推拿に用いられるものである。臨床では生活習慣病の治療にし関して、手技は、方向と補瀉問題について述べられている。  例えば、腹部の摩腹では手技の操作の方向と、治療部位での移動方向をみな順時針にやると(どちらも時計廻りに行うこと)明らかな通便瀉下の作用があり、 手技操作の方向を逆時針で行い(時計の逆廻りに行い)、治療部位での移動方向を順時針(時計廻り)にやると胃腸の消化機能を明らかに増強し、健脾和胃の作用がある。前者は瀉で後者は補である。

 

推拿施術師

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