推拿(すいな)

推拿(すいな)

推拿の作用原理

推拿の基本的な作用原理:

推拿とは、日本で言う整体術のことで(中国の手技療法の一つ)、長い歴史の中で発展してきた世界最高のものです。

推拿は、悠久の歴史ある伝統中医学の外治法(手技療法)に属し、上海中医学院には、推拿学部があり、5年に及ぶ推拿学という学問として、中国の整体術を理論と実技そして自己の心身鍛練の面から学びます。即ち、推拿とは中医師が病状に応じて、手技で冶療する中医学治療法の一つです。

手技と言う手段で人体の体表の一定部位に作用を与え、生体の生理、病理を調節して正常な生体に戻し、人体の持つ自然治癒カ・賦活力を促進する中国独特の整体法です。気功を充分に鍛練した中医師が、手技各法を駆使して 患者の体表の一定部位或いは穴位(ツボ)に「功」を作り、病を癒すものを推拿と言います。

尚「功」とは、中医推拿師によって具体的に病状に応じて使われる各手技法で発生した有効な作用のことです。そして、この「功」は、各種の「能」(エネルギー)に変化して体内の深部に達し、或る系統、経絡の機能を向上させ、治療効果を期待するものです。

「能」 はシグナルを人体の或る系統、経絡から器官へ伝達する事により、 臓腑機能の調節作用が起こり、具体的に次の治療効果をもたらすものです。

 

解剖位置異常の矯正(一)

関節部の脱臼・亜脱臼・腱滑脱などの位置異常によって、引き起こされる病には手技で直接治療する。例)仙腸関節のズレ、推骨のズレ、等

或る系統の機能を回復させる

或る系統の機能が失調した時には、その系統が病になる。失調した系統を手技で調整することにより、正常に回復させる。例)手技で筋肉機能を調整して痙攣を取り除く。気滞、血病の場合は手技で気血の機能を調整し、気血の循行を速くさせ、行気活血の作用を起こさせ、気滞、血瘀による病症を取り除く。

 

信息の調節

最近では、生理学の研究によって、人体の各臓腑と器官には、それぞれ特定の生物信息(固有の度合いと生物電気)を持っていることが知られているが、臓腑と器官が病にかかると、その生物信息も変化する。生物信息の変化は或る系統または、全身機能のバランスに影響を与える。

手技による刺激を体表の特定部位に作用させ、病になった臓腑と器官を調整します。これらが中医学推拿治療の根拠の一つであって、人体の生物電気、生物力学、生物工ネルギーそして組織器官の生理学、生化学、解剖学理論を基礎に古くて最も新しい治療方法です。中医推拿は数多くの実践経験に裏付けされています。

例えば、中国の病院の推拿科では虚血性狭心痛にかかった患者に、或る穴位を軽く按揉し、手少陰経に「調整の情報」を発すると冠状動脈の血流量を増加させる作用が働き、痛みの症状が和らぐことになる。などの臨床報告は日常的なものです。

 

解剖学的位置異常の矯正と機能の回復との関係

解剖学的位置異常は、系統のエネルギー変化と一体となって様々な疾病の原因となります。この疾病を治すには、位置異常とエネルギーの変化の両方を矯正しなくてはならない。

例を五十肩にとって説明すると、五十肩の治療のポイントは、動かない肩が動くように、筋肉・靭帯の粘着を緩めるのであるが、患者は肩の痛みを激しく訴え、筋肉が痙攣して動かない。そこで先ず肩筋組織の機能調整が先決となる。筋肉の痙攣を和らげてから、肩関節を動かす。無理して骨格矯正を先にすると、筋組織に、より大きく傷をつける心配があるので、手技調整で病部位の機能を変え、気血の循行が促進されると傷ついた部位が回復する。これによって肩関節部の痛みがとれ、良い効果が得られたことになる。

 

傷筋の回復に対する推拿の原理

「傷筋」とは次のような状態のことを言う。

人体の関節・靱帯・筋肉が・・・

・突然衝撃を加えられた

・強い力で捻じられた

・強い力で引っ張られた

・強い力で圧迫をされた

・殴打された

・転倒したり、 捻挫した

・長時間の運動や労働が原因の筋肉の傷

・骨折や脱臼で筋肉は傷んでいるが、皮膚は破れていない

 

筋では、急性・慢性を問わず「痛み」がその主症状で中医の治療では、推拿が他の治療法の迫従を許さない絶対的なものとなっている。中医では傷筋になると、血が経脈から離れて経脈が狭くなり、気血の流れが悪くなる。

「気血の流れが悪くなると、痛みが出る。」と解釈されている。治療の眼目は「気血が通じて痛みが止まる」である。では、推拿技法を駆使してどのように気血を通じさせて痛みを取るのだろうか?

次へ >

3