中医学の「子宮」

女子胞(子宮)

女子胞は 「胞宮」「子宮」とも呼ばれている。

 

 

位置と形態:

下腹部に位置し、膀胱の後ろにあって梨を逆さまにした形をしている。

 

 

主な生理機能:

  • 月経を主る。

  • 妊娠を主る。

 

女子胞は月経を行い、胎児を孕み育てる器官である。女子は14オ前後に達して、腎気が旺盛になると、生殖機能を促進する発育物質(天癸)の作用により、月経と胎児を生育する能力がそなわる。

胞宮の主な生理機能は、月経を主り、妊娠を主ることであ るが、女性の月経と妊娠は複雑な生理活動の過程であり、この機能には以下の3つの面が関与している。

 

 

腎中の精気:

天癸の作用

腎中の精気は天癸の生成を促進し、天癸の生成以後は生殖器の発育成熟を促進する。  

女子は腎の精気が充実してはじめて胞宮などの生殖器官が発育、成熟し、月経が来潮して妊娠 、胎児を養育する条件が整う。老化して腎の精気が衰えると、月経は閉止し生殖能力もなくなる。

 

衝脈・任脈の作用

衝脈と任脈はともに胞中より起こる。胞中とは下腹部の内を指し、女子では子宮の部位に当たる。衝脈は腎経と平行し、陽明経脈に通じ、十二経脈の気血が集合するところで「血海」と称され、任脈は胞胎を主り、下腹部で足の三陰経と交わり、全身の陰経が集まるところであるから「陰脈の海」と称され、生体の陰液(精血、津液)を主 っている。

そこで女子が発育成熟した後、衝脈の働きが盛んとなり、血海が充満し、さらに任脈にも滞りがなく、陰血がスムーズに胞宮に注がれるようになると、胞宮は月経を行える状態になり、月経が始まると受胎生育の能力がそなわる。

しかし、衝脈と任脈の盛衰は「天癸」にコントロールされ、幼年期には腎気が盛んではないので、子宮は発育しないが、任脈、衝脈が充実しないために、月経が来潮しないとも考えられている。衝脈、任脈が失調したり、気血を固摂できなくなると、月経不順、崩漏、経閉などの病症が現れる。50オ前後で腎の精気が次第に衰え、衝脈、任脈が不足になると、月経不順が生じ閉経に至るが、これは生理的現象である。

 

心・肝・脾の作用

正常な月経の来潮や胎児の妊娠、発育には充分な血液の供給が必要である。

「心は血を主る」「肝は血を蔵す」 「脾は統血を主る」「脾は血を生じる」というように、心、肝、脾は全身の血液を調節しているので、月経や妊娠とも関連がある。この3つの臓の機能失調は、胞宮に影響を及ぼしやすく、月経の失調や不妊症といった病床が現れる。

 

肝不蔵血、脾不統血では、月経過多、月経周期の短縮、月経持続の延長、崩漏、経漏(赤色帯下:オリモノ)などが生じ、「肝蔵血、脾統血失司」といわれる。

脾虚では水穀の精微を運化できず、血液の生化が不足となり、精神情緒の失調で心血を消耗すると、月経量の減少、周期の延長、無月経などが現れ「心脾両虚」と称される。精神的抑鬱より肝の疏泄が失調し「肝気鬱結」になって月経不順が発生する。

 

以上に述べたように、月経の来潮は単一の要素ではなく、全身状態や精神情緒とも関連がある。主に腎の精気、肝の疏泄、衝脈、任脈の調節などの相互作用のもとに、正常な月経周期が維持され、胎児を養育する条件が整うのである。

特に衝脈、任脈は肝と腎に密接な関係を持っているので、婦人病の治療にあたっては特に肝と腎の治療をポイントとされている。

 

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