問診

問診

現病症を問う

 

問耳目(耳目を問う)

耳は腎の竅で、諸経脈の集まる所であり、五臓六腑、特に腎と肝胆との関係は大きい。

目は肝の竅で、臓腑の気血精微は全て目に注ぐ。したがって耳と目を通じて、肝胆腎などの臓腑の病変を判断できる。

 

1.問耳(耳を問う)

臨床でよく見られる自覚症状は耳鳴、難聴である。

 

(1)耳鳴

耳の中で蝉の鳴き声や波のような音が鳴るように感じられるのは「耳鳴」である。

現れ方としては、片側の耳鳴または両側の耳鳴り、持続的な耳鳴またはよくなったり悪くなったりする反復性の耳鳴など様々である。臨床では常に難聴を伴って現れる。

  • 突発性の耳鳴で、音が高く手で耳を押さえても音が変らないものは、肝胆火盛による実証に属する。

  • 音が小さく手で耳を押さえると音が軽くなるものは、精血虧損による虚証に属する。肥満、身体困重、舌苔厚膩を伴うものは、痰湿内盛に属する。

(2)耳聾(じろう)

耳聾は、聴力が減退することであり、ひどい場合はまったく聞こえなくなる、すなわち難聴であり「耳閉」ともいう。肝胆火盛、腎精虧損、痰湿などが原因である。

 

2.問目(目を問う)

臨床では、色々な目の自覚症状が見られるが 、以下に目痒、目痛、羞明、目昏について述べる。

  • 新病で目が痒い、羞明(眩しくて光を嫌がる)、ひどい場合目が痛む、迎風流涙(風があたると涙を流す)、目脂がよく出る、舌質紅、舌苔薄黄などの症状が現れるのは肝経風熱に属する。

  • 目が痛い、煩躁、怒りやすい、顔と目が紅腫で、便秘、舌質紅、舌苔黄などの症状が現れるのは肝火熾盛に属する。

  • 目が乾燥する、目がゴロゴロする、視力減退、目が疲れる、ひどくなると目が痛くて開けられない、舌質紅、舌苔少などの症状が現れるのは陰虚火旺に属する。

  • 昼は、視力が正常であるが、夜になると目が見えなくなるものは「雀目」といい、すなわち夜盲症である。これらは肝腎不足、精血虧損などによることが多い。

  • 視力減退ではっきりと物が見えないものは「目昏」という。

 

問睡眠(睡眠を問う)

睡眠は、体内と自然界の陰陽の盛衰に密接に関わる。「素問」では「陽気が尽き、陰気が盛んになれば、目が瞑る(つぶる)。陰気が尽き、陽気盛んになれば、目が寤る(さめる)」と記載があり、昼は陽気盛で目が覚め、夜は陰気盛で眠ることを述べたものである。

このほか、睡眠は気血の盈虧(栄枯)および心肝腎などの臓腑にも関係する。睡眠の異常には、主に失眠と嗜睡(しすい:昼夜を問わず眠りたがる)の二種類が見られる。

 

1.失眠

失眠は眠れないこと、すなわち不眠症であり、また「不麻」ともいう。入睡困難、中途覚醒、一晩中全く眠れないなどを特徴とし、また多夢(夢をよく見る)もその特徴の一つである。

原因:

熱盛、痰濁、気滞で心神が乱されて不安となる「心神被擾」である。

気虚、血虚、陰虚、精虚で心神が養われず不安となる「心神失養」である。

臨床でよく見られる証型は、心腎不交、心脾両虚、胆鬱痰擾、肝火旺盛などである。

 

2.嗜睡(しすい)

嗜睡とは、眠気が強く、頻繁にふと寝入ってしまうことで「多麻」ともいう。陽虚陰盛や痰湿内盛が原因である。

  • 倦怠嗜睡、頭身困重、脘腹脹悶、舌苔厚膩などの症状が現れるのは、痰湿困脾に属する。

  • 食後に嗜睡、食欲不振、下痢しやすい、倦怠乏力、顔色と舌質が淡白などの症状が現れるのは、脾胃虚弱である。

  • 非常に疲れやすい、倦怠嗜睡、手足が冷たい、浮腫み、顔色と舌質が淡白などの症状が現れるのは、心腎陽衰である 。

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