問診

問診

現病症を問う

 

問頭身胸腹(頭身胸腹を問う)

 

4)脘痛、腹痛

脘は、剣状突起から胴までの上腹部であり「胃脘」または「心下」とも呼ばれる。脘部はさらに上脘・中脘・下脘に分けられる。

胃脘は、中焦脾胃のある場所でもあるため、脾胃と密接な関係がある。

腹部の範囲は広いので、大腹・小腹・少腹に分けられる。大腹は、すなわち脘部で、臍から恥骨結合までの下腹部は小腹で、小腹の両側に ある脇腹は少腹である。

小腹は腎、膀胱、大腸、脾、胞宮などの臓腑に関係するが、少腹は肝との関係が大きい。脘腹の疼痛の性質、部位、随伴症状などによって、その病症の寒熱、虚実を知ることができる。

 

  • 冷痛で、喜温であれば、寒証に属する。寒邪犯胃、脾胃陽虚、脾腎陽虚、寒凝肝脈な どが考えられる。

  • 灼熱痛で、喜冷であれば、熱証に属する。肝胃鬱熱、陽明熱盛、大腸湿熱、胃陰不足などが考えられる。

  • 隠痛で、喜按であれば、虚証に属する。脾胃虚弱、脾腎陽虚などが考えられる。

  • 痛みが比較的激しく、拒按であれば、実証に属する。癥癜積聚、気滞、食積、虫積(ちゅうしゃく:寄生虫)、陽明実証などが考えられる。

 

5)腰痛

腰は腎の府であり、足の太陽膀胱経、督脈、帯脈などの経脈が循行している。そのため、腰痛を来たす原因には、腎と膀胱の病症、および経絡阻滞などがある。

  • 腰部が隠痛または酸痛で喜按であり、疲れると重くなり、耳鳴、膝軟(だるい)、生殖機能低下などの症状が現れるのは、腎虚腰痛に属する。

  • 腰部が冷痛または重痛であり、曇りや雨の日になると腰痛が重くなり、舌質が淡胖で舌苔が白膩などの症状が現れるのは、寒湿腰痛に属する。

  • 腰部が刺痛で、舌質が紫暗または瘀斑などの症状が現れるのは、瘀血腰痛に属する。

 

6)四肢痛

四肢関節の疼痛は痺病が考えられる。風、寒、湿、熱、瘀血、腎虚などが原因である。

  • 風邪による痺病は行痺といい、痛みの特徴は走竄痛である。

  • 寒邪による痺病は痛痺といい、痛みの特徴は冷痛である。

  • 湿邪による痺病は着痺といい、痛みの特徴は重痛である。

  • 熱邪による痺病は熱痺といい、痛みの特徴は紅腫熱痛である。

  • 瘀血による痛みの特徴は刺痛である。

  • 腎虚による痛みの特徴は隠痛である。

 

7)周身疼痛

頭、背中、腰、手足など体の部位に痛みを感じるのは、周身疼痛という。

  • 新病で周身疼痛であるのは、風寒、湿熱などの外邪による表証に属し、外邪が体表を侵入して、全身経路の気血が不和となり痛みが起こる。

  • 久病や寝たきりで周身疼痛であるのは、気血虧虚によるもので裏証と虚証に属する。

 

2.眩暈

軽度の眩暈は、目を閉じると自然に治るが、重度の眩暈は頭がふらふら揺れ、または物がぐるぐる回るような気がして立ち上がらないほどであり、甚だしければ倒れる。

その原因は色々あるが、よく見られるのは肝陽上亢、痰湿上蒙、気血両虚、腎精虧損、血瘀などである。臨床では、頭痛を伴って現れることがよくあるので「頭痛」の項を参照のこと。

 

3.心悸、怔忡
  • ときどき動悸が起こり、不安を感じるものは「心悸」といい、精神的な刺激、疲労などによって発作する。

  • 驚、恐、怒 などの情緒によって起こるものは「驚悸」という。

  • 心悸が激しく、動悸が胸から臍腹まで感じられるものは「怔忡」という。

心悸は断続または間歇的に発作し、比較的軽いものであるが、怔忡は持続的に発作し、比較的重い病症である。心の陰陽気血不足、および瘀血、痰飲などの原因が考え  られる。

 

4.痞、満、脹、悶

痞、満、脹、悶は異常な感覚である。

  • は物が行き詰って苦しいことであり、すなわちつかえることである。「胸痞」「脘痞」などのように用いられる。

  • は、物がいっぱいで膨らむことであり、すなわち「膨満」である。

  • は、張った感じがすることである。「頭脹」「腹脹」などのように用いられる。

  • は、苦しいことであり、すなわち悶えることである。

痞・満・脹・悶などの異常な感覚は、胸脇脘腹などの部位によく現れ、その原因には、気滞、痰泄、水飲、気虚、食積、瘀血などが考えられる。

 

5.困重

困重は、重くだるい、またはだるくて眠いことである。中医学には「頭重」「身重」「頭身困重」「肢体困重」などの言葉がある。

その多くは、湿阻、痰濁、気虚、陽虚、肝鬱などが原因である。

例えば、湿阻の場合、湿は粘滞沈重で陰邪に属し、体に入ると、気機が阻滞され、体が重くなる。また陽虚の場合、陽気不足で気血の運行が弱くて遅くなり、四肢肌肉が養われず、だるくなる。

 

6.麻木

麻は、電気が流れたようにぴりびりと感じることであり、木は、感覚が鈍くなる、ま たはまったく失われ、自由がきかなくなることであり、これらをあわせて「麻木」という。気血虧虚、肝風内動、痰湿、瘀血などが原因である。

 

7.掻痒

痒みをきたす原因には、陰津不足、血虚、血熱、湿熱などがある。

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