未病

名医は未病を治す

予防養生・健康長寿を維持するための治療、自然治癒力を引き出したり、活力を補い、整えたりするのも未病治療に属す。

 

中医学には
「上工(じょうこう)は己病(いびょう)を治さず、未病(みびょう)を治す」
という教えがある。

 

「上工」とは腕の良い名医と呼ばれる医者のことである。
「己病」とは、すでにかかってしまった病のこと。

 

つまり、本当の名医は、すでにかかってしまった病はもちろんのこと、これから起こるであろう病も予測して治してしまうといった意味である。

病になってからでは遅く、病になる前の状態―未病から生活習慣の見直しを始めるべきである。

 

30~50代の全国の女性1200人に「健康と未病」に関するアンケートを行ったところ、8割を超える女性が、何らかの不調を感じており、未病を改善するために、様々な努力を行っていることが分かった。

なんとなく身体がだるかったり、元気がないだけなのに「病では無いのだから…」と思い、では、「病とは?」と考えたら、痛みや腫瘍があったり、ハッキリとした自覚症状があってはじめて「病」だと思われる方が大半であった。

 

中医学的な発想では、特に目立った症状が無くても「元気がない・活力が出ない」これらはもう「病」の段階に入っていると考える。

身体に問題がなければ、元気が出ない・活力が出ない、ということはあり得ないからである。

 

これぞまさしく「未病(まだ病ではないが、いずれ病に移行するかもしれない)状態」を意味する。

「未病状態」は 現代医学的検査では身体の異常を数値で出すことの出来ない状態でもある。

 

中医学での「未病」治療とは、ハッキリとした症状が無いうちから相談し、身体のケア(目には見えない“気”と言う生命活力エネルギーのバランス調整や補充)をすることで疲労回復を手助けし、病を未然に防ぐというのが目的である。

 

「未病治療」を行うことが、病を予防し、身体をいたわる「予防養生」の治療にもなる。

「体調不良・疲れ」などの状態では、良い仕事、或いは良い発想は生まれてこないと言える。

 

また、体調不良が長く続けば、それがストレスになり、やがては本当の病にもなっていってしまう。

だからこそ、週に一度、または10日に一度、頻繁に定期的な身体のケアが必要なのである。

 

健康不安、高齢者、多忙な場合は、特に日頃のケアが大切になる。

元気な身体は人間の生命活動の源である。人間ドックや健康診断を受けても、数値的には問題が無いのに「なんだか身体の調子が悪い…」と感じた経験はありませんか?

 

中医学が行っている「数値だけではない検査」とは、一般的な(人間ドックなどで受ける)西洋医学的検査ではなく、中医学に基づいた、問診・舌診などによって体質や体内活力(エネルギー)のバランスを判断していく検査のことである。

それにより、身体が「寒タイプ」なのか「熱タイプ」なのか、或いは「実タイプ」なのか、「虚タイプ」なのかがわかり、身体の過不足を矯正していく手がかりを掴むことができる。

 

これらは、現代医学の検査では把握することが難しい事項であり、中医学の長い歴史に蓄積された経験から得られた統計的手法により判断が可能となるのである。

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