気功

気功

気功と経絡

経絡学の臨床上の応用

⑴病理分野

○疾病の伝変

疾病の伝変は、主要な道である経絡の通りが伝変したことです。外が邪気が体内に侵入し、まだ病ではないが異変が生まれる。経絡の通りが外から内側に及び、浅くから深く伝変する。

例えば、風寒は肌表から入り、発熱がみられれる。悪い風寒が、頭や身体が痛むなどの症状になります。肺の外や皮膚から外邪の気が経絡を巡ると、肺に影響が出ます。続きて咳、胸が重い、胸痛などの症状になります。

内臓の間で互いに影響しあい発病します。経絡は重要な道です。例えば、『肝経は胃を挟む』。肝気は全て気はふさがり、憂鬱になりやすい。逆に胃に入り、そして肝胃不和の症状になります。脇腹に刺すような痛みがあり、怒りっぽく、胃が痛み、嘔吐、酸過多の症状になります。

◯病変の反応

臓腑に病があると、気血の変化があり経絡のある部分に反応が出てきます。

例えば、胃経では上歯に邪気が入るので、胃が焼けると上歯茎の中が痛みます。肝経は両脇に広がり、肝病の脇腹痛が見られます。

⑵診断分野

経絡の流れが特定部分にあれば、臓腑も特定の経絡につながります。臓腑の経絡に病があれば特定部分に反映され、これによって病の根幹が各経絡に表れ、これらの臓腑で病の根拠が診断できます。

例えば、頭痛の一例では、経脈が頭部の循行分布のリズムを確認して見分けることができます。前頭部が痛い者の多くは陽明経に関係があり、頭の両側が痛い者の多くは少陰経に関係があり、後頭部が痛い者の多くは太陽経に関係があり、頭上部が痛い者は足厥陰経に関係があります。

近年来、臨床実践中に発見されたことは、経絡の流れでいくつかの点上に明らかな圧痛、或いは触診で腫れや筋の反応を探して、一般的な診断を助けることができました。

⑶治療分野

経絡学は臨床と各科の治療に広く使われています。特に鍼灸、按摩、中医葯に対しては重要な指導と意味を持っています。

鍼灸と按摩治療では、主な根拠はその一つの経絡と臓腑上の経穴(ツボ)を選び取り、鍼灸を通し、或いは按摩をします。経絡により気血の功能を調整することができ、それにより治療目的を達成します。頭痛治療のように、痛い場所以外の経穴を選んだり、幹部より遠い経穴を選び、経絡の流れをより良くします。それによって治療効果を高めます。

陽明経の頭痛のように手陽明大腸経の合谷穴と足陽明胃経の内庭穴を取り合わせたりします。

薬治療の場合は、薬の帰経を考えることが必要で、それにより治療作用を強めることできます。

頭痛治療には高い効果が出てくるので、常に伍引経葯を調合します。太陽に属する頭痛には羌活を使うことができます。陽明経に属する頭痛には、柴胡を使うことができます。

経絡の生理功能

前述したように、経絡は人体組織の重要な組成部分です。それは、「内は臓腑に連なり、外は手足に繋がり、内外と交流し、気血を交流する」作用を持ちます。その生理功能は以下のいくつかの分野に総括することができます。

⑴気血の運行、栄養を運ぶ

「経脈者は、それゆえ気血を流し、陰陽を補給し、筋骨を潤し、関節を利するもの也」《霊枢・本蔵編》。

経絡は全身に広く行き渡り、気血、津液(水)などを主に運行し、道を運ぶと説明しています。気血・津液(水)などの滋養物質は、経絡を通って全身に回り、故に栄養が行きわたって身体を温める働きがあります。

臓腑の組織を使い、五官九窮、肢体百骨、筋肉皮膚全てに充分な栄養を行き渡らせます。

⑵全身との繋がり、陰陽の協調

○経絡を使い、人体臓腑の間、内臓と体表の間、五官及び上下左右の間の構成を通して完全に整った連携を起こし、ひとつの統一体となります。

○経絡は体内組織の各部分を協調、統一できるだけでなく、併せて体内外組織と環境の間(人体と自然界の間)に、協調とバランスを保つ作用も起こすことができる。「十二経脈はこの五臓六腑と天道が交流する也」《霊枢・経別編》。

⑶外邪を拒み、身体を守る

経絡は栄気を運び、肌表や手足をしっかりとさせ、外部からの邪気の働きに抵抗し、身体を守る気を運行します。

人体の抗防衛機能の主なものは、衛気の功能です。衛気は中焦水谷の気と、肺が吸入する大気を結合します。この種の衛気は肌表に達し、経絡を通し、経気を促進します。そして抗邪防衛作用を発揮することができます。

奇経八脈の生理功能の重なるものは、十二経脈の気血が満ちている時は流れに沿って奇経へ注ぎ、蓄えて準備します。十二経脈の気血が不足している時は、気血に則り十二経脈へ流れ、人体の需要に備えあふれ出ます。

気功三要素

気功には調身、調息、調心の三要素があります。

  • 調身は姿勢、全身リラックスに注意します。
  • 調息は呼吸と行気に注意します。
  • 調心は入静と意念を静かに考えます。

気功の時はこの3つを密接に合わせた相互協調します。気功は数千年の伝統を経て経験を積み重ね、人体の自己調整、コントロール系統を調節することができるようになりました。身体の改善、人体の潜在能力を開発し、気血の正常運行を保証し、病を防ぎ、病気を治すことができます。

気功を行うときは、必ず三大要素ー調身、調息、調心を理解し、実感しなければなりません。気功のときは、自然呼吸を基礎にして大脳入静をし、静虚が基本で、動作によって調身が、呼吸によって誘導が、意念によって調和ができます。

全身のリラックス、身体を柔らかく緩めて、意念で互いに外静内動、内静外動、生命両方を修練し、だんだんと高く深い境地に入ります。

気功では、調身、調息、調心の三大要素を掌握することができます。気功は人体を大自然の中に引き入れ、宇宙、太陽系、地球の中に入ります。これによって調身と運動は、体操と同じではありません。

これらは身体をリラックスさせ、穏やかにさせます。体内気血が流れやすくなり、周天運気にも有益で、大自然の気や場所との同調にも有益です。それゆえに、身体は柔らかくこわばらず、こわばっても難くない。調身の要求は自然なリラックスの状況のもとで、気功の動作が進んで柔和になり、調和進行の根拠になります。

調息は古代では吐納と呼ばれ、気功を行うときは、自然に平穏に呼吸することが必要となります。呼吸がゆっくり細く長く変わり、最後は胎息状態になります(胎息:呼吸法の極致であり、鼻や口を使わず、子供が胎内にいるときと同じように呼吸すること)。

中医学では気行血行について、気が停滞すれば血も澱むと説明します。それゆえ、人体の気が生命運動、五臓六腑の運行を動かすことができ、精気旺盛を促します。そして、肺呼吸の他に、皮膚呼吸、経絡と臓腑呼吸などこれらは気功の内修作用です。調息は、気功の時の雑念を排除することができます。気功の時は最初に我を忘れ、周囲の雑事を忘れます。全身のリラックスとともに、大自然に身を委ねます。これにより、良い精・気・神を調整することができます。身体の邪気を徐々に排出させ、この気功運用は身体を強くし、健康にするための効果があり、病気予防と治療、長寿、健康増進の目的に達することができます。気功を行うことによって、さらに健康になることができます。

気功調身(姿勢)

気功は最初に良い姿勢が必要になります。正確な姿勢はスムーズな呼吸と精神の誘導、リラックスすることが先決条件です。

「形が正しからずれれば、気も従わず、気が従わざれば意安からず、意安からざれば、気も散乱する」と調身の重要性を説明しています。

<平座式>

椅子に姿勢正しく座る。身体と足は、椅子の高さを調整して膝を90度に曲げるのが適当。

両足は地につけ、両膝は左右に肩幅と同様に広げ、両手は自然に膝、或いは大腿部の上に置き、下顎を少し引いて、胸は張り、背は正しく、口と目は少し閉じ、舌先を上顎につけ、顔は微笑む。

<自由盤式>

座敷に姿勢良く座り、両足を交差して“八字型”になる。

自然盤座になり、両手は両膝に置くか、手印状に結び、小腹前に置く。

上半身、頭部m及び上肢の姿勢は平座式と同じ。

<単盤式>

姿勢は自由盤式と同じ。左(或いは右)の脹脛を右(或いは左)の脹脛の上に置く。

<仰臥式>

両膝を少し曲げ、両足着地、両手は足両側にあり、或いは小腹の上に重ねる(掌心は下向き)。

頭部は平座式と同じ。

<側臥式>

首はやや前に曲げ、頭は枕をして上半身はまっすぐに、上の足は曲げて、下の足は自然にまっすぐに伸ばす。

上の手は臀部(掌は下向き)において、下側の手は枕の上(掌上向き)に約6cm頭から離し、そのほかは他の方法と同じ。一般的には右側に臥せる。

<站式>

両足を平行に立ち、肩幅と同じぐらいに広げ、頭、首をまっすぐにし、下顎を少し引き、胸を張り、背を正しく、両膝を緩める。

両目はまっすぐに見て、或いはかすかに閉じる。両肘は胸前でボールを抱えるように、両手五指は自然に開き、指は少し曲げてボールを抱えるような形をし、指先は向かい合い、手の中心も内側に向かい、口は自然に閉じ合わせ、舌先は上顎につけ、顔は微笑む。

站式は膝関節を曲げる程度によって、高、中、低の三種類に分けても良い。

手、肘の姿勢は、自然式站立、下按式站立、三円式站椿などに分けても良い。

気功三要素

気功の調息(呼吸)

調息は呼吸をコントロールすることで、自分自身の気を調整して、意に従うよう修練することです。これらた練気の重要な一環です。

これを使って人体の真気を蓄積し、発動と運行する主な方法です。調息は気血を調和して内臓への按摩作用ができるだけでなく、同時に思想の安定と身体のリラックスを助けることができます。調息は次のように行います。

自然呼吸法:

意念を加えず、自然呼吸する。

順複式呼吸法:

吸うときに横隔膜を下げ、腹部は膨らみ、吐くときは横隔膜が上昇し腹部は内に凹ます呼吸法。

逆複式呼吸法:

順複式と反対の方法で、吸う時に腹部を内収し、吐く時に腹部を外に膨らませる呼吸法。

停閉息呼吸法:

吸った(吐いた)後、一時呼吸を停止して再び吐く(吸う)方法。

鼻吸口呼法:

鼻ですって、口で吐く呼吸法。

読字呼吸法:

吸う時数字を黙読するのに合わせて行う呼吸法。

踵息法:

深く呼吸するイメージで“意守(意識を留める)”と合わせて、吸う時は気を足の湧泉穴に導く。

小周天呼吸法:

吸う時の意念は百会→壇中→丹田→会陰:吐く時、意念は会陰→尾骨→脊髄→玉枕→百会まで。

鼻呼吸で行い、気は任督脈をめぐる呼吸法。気を通す任督脈法ともいう。

真息法:

外から見える呼吸は停止しているようであり、実際は腹部で呼吸している。古くは“胎息法”という。

潜呼吸法:

呼吸の1回の時間は長く、細く長く均一であり、はっきりした感覚はない。一種の深呼吸法。

開合呼吸法:

“体呼吸法”とも言われ、“体息法”の基礎に則って行う呼吸法。意念で全身の毛穴を開け閉めし、それに従って呼吸をする。

全身の毛穴全部で呼吸充満の開合感覚である。“毛孔呼吸法”ともいう。 

気功の調心(調意)

調心は思想を集中して雑念を排除し、万念を持って一念に変わるように、意念の作用で通すことです。

従って、ゆっくり誘導して入静氏、虚空の境界へ進む“練神還虚”。これらは最も基本的な気功と言えます。

気功の効果は、特に静に入ることで決まります。初心者の入静は比較的困難で、一般的に入静する方法は次の通りになります。

意守法:

高度の意念は身体のある部分、或いは体外のある風景に集中する。普段は丹田(下丹田)を意守する。

守りに似て、守らない。多くを気にせず、自然にリラックスして、ほどよい加減にする。

隋息法:

呼吸をしながら意念を集中し、複式呼吸の収縮だけに注意して命令しない。

形と意念が一つになり入静状態になる。

数息法:

呼吸を黙数し、数は耳で聞かず、目で見ず、心で願わない。

すぐ自然に入静状態に入ることができる。

黙念法:

ある単純な字句を黙念する。例えば「松静」の二文字を黙念し、呼気と吐気で各一字ずつ黙念する。

その目的は万念に変わり、一念になり、邪気に変わり、正念になる。徐々に雑念がなくなり、とても幸せな気持ちになり、入静の境界に入る。

聴息法:

耳で自分の呼吸をするときの気の流れる音が聞こえる。

聞こえない状態、そしてイメージとして想像し、入静するのを助ける。

観息法:

意念で眼の中で、身体のある部分、或いは体外の景色を内視する。これによって入静状態へ導く。

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三大伝統中医学の一つ、推拿(すいな)の第一人者であり、生活習慣病の早期発見と回復を多く手掛け、自然治癒力、自己回復力を活性化する最高峰の手技療法を世界中で広く普及し多くの生徒を輩出。 一般社団法人国際伝統中医学協会の代表理事としても活動し、日本における、現代人のための中医学教育の第一人者として、医師、薬剤師、セラピストなどの健康のプロに対して、中医学観点からの健康管理法を教育してきた。また医療健康のプロフェッショナルだけでなく専門用語を使わない分かりやすい指導方法や、 豊富な臨床実績をベースにした、生活習慣病、 婦人病や中医学の専門的な診断法である舌診などのセミナーなどを行い、健康に敏感な一般層からも高い人気を集める。60,000人以上の診断実績と、3,000人以上の中医学教育指導実績で、医療関係、専門家などから多くの支持を得ている。