奇経八脈

奇経八脈

奇経八脈の総合作用

奇経八脈は経絡系統の中で非常に重要な位置を占めている。奇経八脈は縦横に交叉しながら、十二経脈の間を循行している。それにより、正経の間の連絡を強め、十二経脈、経別、絡脈を広く連係させ、経絡と全身の各組織器官の関係を深め、全身の気血の盛衰を調節する作用がある。

 

奇経八脈の作用:

奇経八脈のほとんどは十二経脈から分かれて出ており、十二経脈と縦横に交叉し、その循行、分布の過程でその他の経脈と交会し、経絡の間の連係を密接にしている。その代表的なものには、次のものがある。

 

  • 陽維脈は各陽経を連絡させ、督脈の風府、唖門で交会する。

  • 陰維脈は各陰経を連絡させ、任脈の天突、廉泉で交会する。

  • 手足三陽経は、督脈の大椎で交会する。

  • 足三陰経は、任脈の関元、中極で交会する。

  • 督脈は頭頂部で足厥陰肝経と会合し、督脈、任脈、衝脈は、互いに疏通しあっている。

  • 衝脈は足少陰経、足陽明経とも連絡しており、「十二経脈の海」ともいわれている。

  • 帯脈は腰腹部を帯状に1周しており、縦走しいる経脈と連絡している。

 

このように奇経八脈は、十二経脈とそれに関係のある臓腑に対し、連絡、疏通させる作用を果たしている。

 

十二経脈中の気血を調節する

経絡は気血を運行する通路であり、その中でも十二経脈が主要な通り道となり、奇経八脈は十二経脈の間を縦横に交錯して貫通し、その気血を調節する作用を果たしている。十二経脈と臓腑の気血が旺盛になるときには、奇経八脈に注いで蓄積し、十二経脈の気血が不足になったり、或いは生理上必要なときには、奇経がそれを出して供給、補充する。

奇経八脈には、十二経脈の気血を調節したり、蓄積したりする作用が ある。したがって、十二経脈を大河に、奇経八脈を湖に喩えることがある。

 

補完、統率、コントロール作用

督脈のことを「陽脈の海」 といい、任脈のこと を「陰脈の海」といい、衝脈のこと を「十二経脈の海」または「血海」と呼ばれるが、これらは奇経八脈の持つこの作用を表現したものであり、奇経八脈は、性質や作用が類似している経絡を組み合わせ、さらにそれらを補完、統率しコントロールする作用を持っている。

 

督脈:

督脈には各陽経がすべて集まっている。「陽脈の海」と称されている。腎、脳、脊髄とも密接に連係している。督脈には、陽気と真元を総督する作用がある。

 

任脈:

任脈は一身の陰気を総任し、「陰脈の海」と称されている。陰経を調節する作用と、妊養の作用がある。人体では気を陽とし、血を陰としているが、女性の胎、産、経、帯は陰血と密接な関係があり、そのため「任は胞胎を主る」といわれている。

 

衝脈:

胞中より起こり、十二経脈の血を納め、血液の運行を調節する要衝であるため、「十 二経脈の海」と称されている。十二経脈、五臓六腑と密接な関係がある。

 

帯脈:

諸経を束ねて統括する作用がある。

 

陰蹻脈・陽蹻脈:

下肢と体幹の両側の陰陽を調節している。下肢の内側と外側に分布している陰経と陽経を協調させる作用がある。一身の陰陽と関係を持っている。

 

陰維脈・陽維脈:

陰経と陽経を連係させている。陽維脈は全身の表を主り、陰維脈は全身の裏を主っている。一身の陰陽と関係を持っている。

奇経八脈は、十二経脈と様々な角度から組み合わせることができ、それにより、その補完、統率及びコントロール作用を果たしている。

 

絡脈は経脈から別れて斜行する支脈であり、そのほとんどは体表を循行している。主要なものには15本あり、十五大絡、或いは十五絡脈といわれている。つまり、十二経脈にはそれぞれ1本の絡脈が別れ出ており、脾には1本の大絡があり、さらに奇経八脈の任脈と督脈の2脈にもそれぞれ1本の絡脈がある。

この他、絡脈が16あるという考えもある。つまり、胃の大絡を加えれば、十六絡脈となる。

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