経絡

経絡

経絡学は、中医理論体系の重要な一部分であり、生理、病理、診断、治療上、非常に重要な意義をもつものである。

経絡は全身に分布しており、気、血、水(津液)を運行する重要な通路であると同時に、人体各部分を相互に連結している。

人体の臓腑、器官、孔竅、皮毛、筋肉、骨格などは経絡を介した流通と連結によって統合され、統一体として機能しているのである。

 

経絡学は、古代における医家たちの長期にわたる医療実践のなかで生み出され、古代の解剖の知識に立脚し、古代の医家の臨床経験と針灸治療を受けた患者の感覚にもとづいており、こうした感性的な認識を基礎にして整理、帰納しつつ発展したもので あり、古来より中医学の各科の臨床をささえる基礎とされている。

 

経絡とは、全身の気血を運行し、臓腑と四肢を連係し、表裏、上下、内外を疎通させる通路である。

 

経絡は、経脈と絡脈の総称であり、「経」と「絡」とはそれぞれ異なる意味をもつ。

「経」 とは通り道という意味であり、「絡」とは連絡、すなわち接続するという意味である。川で例えるならば、経は主流としてまっすぐ直流する。絡はその支流であり、傍流であり、流れ方も非常に複雑で、かつ相互に連絡しあっている。また、経は筋肉、或いはその深層を走行し、絡は皮膚、表層を走行しているが、経のように速くなく、緩やかに流れているとされている。

 

経絡は主に、十二経脈、奇経八脈と十五経脈等が含まれている。十二経脈、任脈、督脈を合わせて十四経脈と言う。十四経脈には決まった穴位があり、鍼灸や推拿と最も  密接な関係をもつものである。

 

十二経脈の命名については、経脈の起点と終点が手と足にあることによって、手と足に分ける。経脈は、四肢の内側或いは外側に沿って循行すること、及び、経脈の所属する内臓によって、陰陽・臓腑に分ける。その内の陰腸の中は三陰と三陽に分ける。即ち、太陰、少陰、厥陰と陽明、太陽、少陽である。

十二経脈の総称は、手或いは足、 陰或いは陽、臓或いは腑によって組み合わせたものである。例えば「終点は手にあり、上肢内側に沿って循行し、肺に属する経脈は、手の太陰肺経という。」などである。その他、八本の経脈がある。その八本の経脈の循行ルートは、法則性をもつ十二経脈と違い、臓腑と直接に絡属関係をもっていないので、奇経八脈という。それらは、督脈、任脈、衝脈、帯脈、陽蹄脈、陰躁脈、陽維脈、陰維脈を含む。それらの名前にも一定の意義がある。

 

督脈は統轄の意味で、全身の陽経を統轄することができる。任脈は、各陰経を受け取って、それを育み整える事ができる。衝は、要衝の意味で、衝脈は各経脈に相通じている。帯は、束ねるという意味で帯脈は各経脈を帯の様に束ねる。蹻は踵を指し、その意味は、陰蹻脈、陽蹻脈は足から出てその経脈を使うと、行動が敏速になるということである。維は「維ぎ摩る」「維ぎ絡う」という意味で、陰維脈は、各陰経を維ぎ絡い、陽維脈は、各陽経を維ぎ絡う。

十二経脈はそれぞれ一本の絡脈があり、督脈、任脈の絡脈及び脾の大絡を合わせて、十五絡脈という。

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