弁証論治(べんしょうろんち)
中医で身体の状態を診断することを「証を立てる」と言う。
中医学は、望診、聞診、問診、切診を総合して病を捉えていくことが特徴であり、姿(姿勢や顔色、舌診等)〔望診〕、病独特の声調やにおいや音〔聞診〕、症状と原因や体質に関与する事項を〔問診〕すること、身体に触れたり、脈診〔切診〕を指す。
現代医学では、こうした所見を捉えて診断をしていくことが軽視されがちであり、また日本の鍼灸分野においても、これまで切診への比重が大きく、他は軽視される傾向があった。
病は発症から治癒までに様々な過程があり、非常に多くの要因が関与する。中医学の四診を総合して病を捉える〔四診合算〕能力があれば、
臨床の実際において診断や治療に柔軟さを発揮することにつながる。実際の臨床では同じ傾向はあっても、全く同じ症例は無く、画一的な治療では通用しない。
様々な情報を収集するため、五感を駆使して診察をすることをいう。