中医内科学

中医内科学

中医内科学とは、中医理論に基づき内科に含まれる病証の病因病機とその証に対する治療原則からなる臨床学である。内科の範囲は非常に広く、一般的に外感病と内傷雑病の二つに大別される。

傷寒と温病からなる外感病は、六経・衛気営血・三焦の病理変化として現れる証候を分析分類することによって、また内傷雑病は、臓腑・気血・津液・経絡の病理変化として現れる証候を分析分類することによって、弁証論治される。

臓腑病機・病証の基本概念

肝胆系の病機・病証の概要

1.肝系の生理

肝は疏泄(気機調暢)を司る。具体的には情志、消化、血行、衝任で機能する。肝は蔵血を司る。具体的に血液の貯蔵と血量調節の機能がある。

 

2.肝系の病理

肝系の病理​を表した図

 

3.証治分類
(1)実証

肝気鬱結

病機概要:

鬱怒傷肝、木失条達、疏泄失調による病理には気滞と血瘀がある。気滞に よ って「痛」と「聚」を生じ、血瘀によって「痞」と「積」を生じることによる証候である。

主要症状:

脇痛、嘔吐、げっぷ、腹痛、下痢、排便不暢、積聚。舌苔は薄、脈は弦である。

治療法則:疏肝理気、破積散緊。

 

肝火上炎

病機概要:

肝胆疏泄失調、気鬱化火、火が気の上逆に従って、頭、顔面に上炎するため生じる証候である。

主要症状:

脇痛、嘔吐、眩暈、頭痛、狂怒、耳鳴難聴、目の充血、吐血。舌辺・尖部は赤、舌苔は黄色または乾燥して膩、脈は弦数などの主症がある。

治療法則:瀉肝泄胆清熱。

 

肝風内動

病機概要:

肝気化火、陽気暴張、火と血は気に従って、横逆、上衝の乱れを惹起し、そのため生じる証候である。

主要症状:

昏倒、痙攣、麻痺、眩暈、頭痛、舌の歪斜、震顧。舌質は紅、舌苔は薄黄、脈は弦数である。

治療法則:平肝熄風潜陽。

 

寒滞肝脈

病機概要:

寒邪が厥陰経脈に侵入し、肝気不暢、経脈痺阻になり生じる証候である。

主要症状:

少腹脹痛、睾丸下垂感、陰嚢収縮。舌質は潤滑、舌苔は白、脈象は沈弦あるいは遅である。

治療法則:温経暖肝。

 

(2)虚証

肝陰不足

病気概要:

肝は剛臓であり、腎水の滋養に依存する。腎陰不足、水不涵木、または肝鬱化火、火 盛傷陰の状態になり、肝陽上亢、肝風内動に至って生じる証候である。

主要症状:

眩暈、頭痛、耳鳴難聴、麻痺、振顫、夜盲。舌質は乾紅少津、少苔、脈は細弦数である。

治療法則:柔肝滋腎、育陰潜陽。

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