聞診

聞診

嗅気味

嗅気味は、疾病と関係がある臭いを嗅ぐことであり、患者の身体、分泌物、排泄物などからの異常な臭いを含む。

一般的には、酸腐臭穢(さんぷしゅうわい)であるものは実熱に属し、やや生臭いものは虚寒に属する。

排泄物などの臭いを調べる際、その性状と色を合わせて考える必要がある。詳細は望診と問診の関連章節を参照のこと。

 

病体の気味

1.口臭

健康な人が話すとき、口臭はない。口臭はあれば、胃熱、食滞、虫歯、口腔の不潔さ などの原因が考えられる。

 

2.汗臭

出汗時には汗の臭いを感じるが、腋窩部からそれとは異なる狐の臭いのような特有な不快臭がある場合は、腋臭であり、湿熱内蘊が考えられる。

 

3.鼻臭

鼻に臭気があり、濁った鼻汁が常に出て止まらないのは、鼻淵証(鼻炎・ちくのう)である。

 

4.そのほかの臭い

身体に臭気があれば、出血と潰瘍の有無を検査しなければならない。

痰涎、大便、尿、女性の月経と帯下などの排泄物の異常な臭いは、問診により知り得る。

 

咳をしたときに濁痰と膿血を吐き、生臭い臭いが すれば、肺癰(肺膿瘍、肺の化膿性病証)が考えられる。

大便がひどく臭い、便秘を伴うのは熱に属し、生臭くて下痢をするのは寒に属する。

尿が濃く濁り臭うのは湿熱に属する。放屁がひどく臭う場合は食滞と腸積が考えられる。

帯下が粘稠で黄色く臭うのは熱証であり、帯下が希薄で白く生臭いのは寒である。

 

病室の臭い

病室の臭いは患者の身体や排泄物から発せられるもので、重病の場合、その臭いは病室に充満する。

病室に血腥い(ちなまぐさい)臭いがあれば、失血証の現れである。尿またはアンモニアのような臭いは、水腫病の末期によく見られる。
腐ったリンゴのような臭いがあれば、消渇病(糖尿)の重症が考えられる。病室に腐臭や死体臭があるものは、臓腑の壊死で病状は極めて重い。

 

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