聞診

聞診

聴音声

 

病的な音声

1.発声
五音と五声

五音は角・徴・宮・商・羽のことを指し、五声は呼・笑・歌・哭(泣)・呻(しん:うめく)のことを指し、それぞれ肝・心・脾・肺・腎に対応する。

正常な場合は人間の情緒変化の現れであるが、疾病の場合は五臓の異常、特に情志方面の病変を示す。呼・笑・歌・哭・呻の異常な変化によって、それに対応する臓腑の病変を推測、判断できる。

 

声重

澄んでいない声のことで、すなわち濁声である。これは、外感風邪または湿濁阻滞で肺気が宣発できず、気道が詰まることによるものである。

常に鼻づまり、鼻水、咳、喀痰などの症状を伴う。

 

音唖と失音

音唖とは声が嗄れることで、すなわち嗄声であり、音声嘶唖(せいあ)ともいう。

失音とは、完全に声が出ないことである。

疾病の初期に音唖または失音が現れるのは実証である。これは、風寒や風熱などの邪気が肺を襲い、肺気が宣発できず清粛機能を失うことによるものであり、いわゆる「金実不嗚」である。

久病の場合、音唖と失音が現れるのは虚証である。精気が内傷され、肺腎の陰液不足による虚火が肺金を灼き、肺は損傷され、声が出なくなり、いわゆる「金破不鳴」(金が傷むと発声できない)である。

歌手や教師など職業性音唖は、気陰両虚や瘀血などの原因が考えられる。妊婦後期に、音唖または失音が現れることを「妊娠失音」または「子瘖」といい、これは胎児が母体の腎精の輸布を妨げ、精気が喉を上栄できなくなるためである。

 

声調

発声が高く有力でよく響くのは、宗気の充実によるもので、陽証、実証、熱証に属する。

声が低くて細く途切れがちであるのは、宗気が弱まるためであり、陰証、虚証、寒証に属する。

 

鼾(いびき)

いびきをかくのは気道不利によることであり、慢性鼻炎、肥満者、高齢者などによく見られ、痰湿、肺腎両虚、瘀血などの原因が考えられる。昏睡状態で、いびきをかくことは、熱入心包と肝風内動が考えられる。

 

呻吟(しんぎん)

呻吟は、苦しんでうめくことで、身体に痛みや脹満などの苦痛がある場合に見られる。

顔をしかめて呻吟するのは頭痛であり、起きずに呻吟するのは腰腿痛であり、手を腹部に当てて呻吟するのは腹痛であり、突然叫びながら恐怖を感じるのは驚風である。小児の夜泣きも驚風に属するが、心脾熱証または脾虚が考えられる。

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