望形態

望診

望形態(形をみる)

望形態は、患者の形体、姿態、動作などを観察することによって病症を診断する方法である。
蔵象学説においては、皮毛・筋肉・血脈・筋骨の五体は、五臓に合している。肺は皮毛に合し、心は脈に合し、脾は肉に合し、肝は筋に合し、腎は骨に合する 。 形体の強弱胖痩は内臓の堅脆盛衰と一致し、体の動静姿態は、陰陽気血の消長と関連する。
したがって、望形態を通じて臓腑気血の盛衰、陰陽の消長、および病症の順逆、邪気の所在を推量できる。

 

望形体(体型)

望形体とは、体の強弱、胖痩、異常な奇形などを観察することである。
とは、がっちりした体付きかつ力強いことを指す。とは、華奢な体付きかつ力が  弱いことを指す。強壮な身体は、内臓堅実と気血旺盛の現れであり、疾病になっても予後がよい。虚弱な身体は、内臓虚弱と気血不足の現れであり、体質が弱くて病になりやすく、しかも予後は悪い。

 

肥胖は太っていることであり、消痩は痩せていることであり、いずれも正常ではない。
「四診抉微」では、「形は気の充であり、形は気に勝てば夭(よう:若々しい)と成り、気は形に勝てば寿と成る」と述べている。
気とは気力、パワーである。肥胖、消痩を問わず、気力は、健康に重要な役割を果たす。

肥胖でよく食べるものは、形盛有余である。肥胖で少食のものは、形盛気虚とされ、その多くは陽虚や痰盛と考えられる。
「格致余論」は、「肥人湿多」という。肥満の人は、痰湿が停滞しやすい。それに伴い、気血の流れが悪くて滞り、中風になりやすい。

消痩でよく食べるものは中焦熱盛であり、発熱、口渇、便秘などの症状を伴う。
「格致余論」は、「痩人火多」という。消痩で、食欲不振、面色淡白、倦怠無力などの症状が見られれば、中気虚弱や気血不足である。
形体消痩、口渇、頻尿、多食、舌質が紅で舌苔が少ない、これは陰津虧損による消渇である。

「鳩胸」、「亀背」、「O 脚」などは、先天腎精虧損、または後天脾胃虚弱によるものである。
胸郭の前後径と左右径があまり変わらず、樽のように丸くなるのは、「樽状胸」という。
これは、咳き込みが長引き、肺腎の気が損傷され、肺気が宣発できずに局所に壅滞して膨れ上がることによる。
胸郭が扁平な形をしているものは、「扁平胸」という。そのほとんどは肺腎陰虚または気陰両虧と考えられる。
腹だけが膨らみ、四肢が痩せるものは、「鼓脹」であり、これは肝鬱気滞、水停血瘀による。

外部の形態は、内部構造と一定の関連を有し、内部構造はさらに人体の生理機能に関わるので、体型は体質を反映し、特定の体質は往々にしてある特定の疾病につながる。体型と体質との関係は、『内経』には、すでに論じられている。
例えば、『素問』の「異法方宜論」、『霊枢』の「通天篇」と「陰陽二十五人篇」などの篇章には記載した。
今までこの内容に関する文献が数多くあり、共通の認識が得られなかったが、現在では体質を陽臓、陰臓と陰陽和平と三つに分けることにより、一応の認識を得ている。

 

陽臓人は、体が痩せ、背が高い、頭が長い、首が細長い、肩が狭い、胸が狭くて平坦で、身体がいつも前屈している。
これは陰虚陽盛のタイプである。

 

陰臓人は、背が低くて太り、頭が丸型、首が短くて太い、肩幅が広い、胸が広くて円形で、身体が後ろに反りがち。
これは、陽虚陰盛のタイプである。

 

陰陽和平人は、陰陽が偏らず中正を得て、気血も過不足なく順調である。体型は、上記の両者の中間である。

 

次へ >

1